♪ cocorotte な毎日 ♪

「こころってなぁに?」と問いかける毎日。cocorotte(こころって)濱田アキのブログです。

目の見えない人は世界をどう見ているのか(伊藤亜沙・著)

私は数か月前、
あるワークショップで、(短時間ですが)
視覚を遮断して動き回る試みをしました。

さぞかし不便でオタオタするだろうと思っていたのですが、
実際は・・・

・情報が少なくて何て静かでラクなんだろう
・他人の視線が分からないから、自意識が薄まり自分自身でいられて心地いい

この意外な体験に興味を持っていました。

その影響もあってか、
あるミュージアムショップで目に留まった本をご紹介したいと思います。


目の見えない人は世界をどう見ているのか
伊藤亜沙(光文社新書




生物学者を目指していた著者が美学に転向し、
その2つをクロスさせた視点で
〈目の見えない人〉の世界を描き出しています。

美学と生物学がクロスするところ---
それは「身体」・・・
美学も生物学も、身体の働きやまわりの環境との関わりについての探求してきた、
と著者は述べています。

この本は
「目の見えない人を理解しよう」という表面的な目的のためのものではありません。

著者の
「自分じゃない身体を持つものに変身したい」
「変身したことを身を持って感じたい」
という切望とも言える想いを通して
〈目が見える人〉が見過ごしているかも知れない
〈目のみえない人〉の豊かな世界を描いています。

「障害者」と呼ばれる人が
援助されるという一方からだけの立場ではなく、
この社会への新しい豊かさの提案をする存在であり得るのではないか。

この視点を持つことによって、
常識で固まり停滞している社会への風穴の可能性を充分感じられます。


私のワークショップでの体験は、
「見える」ことに依存し過ぎていて、
かえって何も見えなくなってしまっていたことに
気づいた瞬間だったのかも知れませんね。