目に見えなくたって、存在している。
小さい頃から、
体験したことを言葉にして口から出すのが難しかった。
大人になって、
たくさんの言葉を扱えるようになり
ありとあらゆる言葉を駆使して
コミュニケーションを取ろうと図るが・・・
今度は
「そんなこと考えちゃダメだよ」
「そんなこと言っちゃダメだよ」
「それって、こういうことなんだよ」
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どうして人は
確実に存在しているものを
なかったことにしたり
ダメだダメだと言うんだろう。
目に見えなくたって
存在しているということは
何らかの理由があるはずなのに。
過去にたったひとり、
本当にたったひとりだけ、
私の言葉を打ち消そうとする集団を制止し
「いいよ、もっとしゃべってアキちゃん」
と言ってくれた人がいた。
でも、その人も、今は地上にいない。
だから私は空を見上げて
月とおしゃべりする。
この世界で私が本当にお話したいのは
これこれこうなんです。って。
月は、私の「おはなし」を聞いてくれる。
アキちゃん、生きなさい。
あなたが感じたことをなかったことにしないで。
存在し続けなさい。と。